Between Language and Culture
第47回ナショナルブックフェア&第17回バンコク国際ブックフェア2019
この度、国際交流基金バンコク日本文化センターでは、Gamme Magie社ならびにゲーテ・インスティテュートとの共催のもと、作家・多和田葉子氏をお迎えし、文学をめぐる対談「Between Language and Culture」を開催します。日独バイリンガル作家として活躍する多和田氏は、その独特な世界観とリズムを特徴とした作品が複数カ国語に翻訳されるなどして、世界中の読者に愛されています。タイにおいても芥川賞受賞作『犬婿入り』がタイ語に翻訳され、2019年3月には海外でも多くの賞を受賞した『献灯使』がタイで出版されることとなりました。多和田さんの対談相手としてお迎えするのは、東南アジア文学賞受賞作家でもあり、映画監督・アーティストとしても活躍するプラープダー・ユン氏です。
今回の対談では、一度「母語の外」の世界に出た経験を持つお二人に、言葉と文化の境界をテーマにお話いただきます。お二人は、母語と外国語や文化の間を自由に行き来しながら、どのように作品づくりを行っているのでしょうか。今後もあらゆる壁を超えて「文学」の境界を広げていくことが期待されるユニークな作家2名による対談を、どうぞお見逃しなく!
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スピーカープロフィール
多和田 葉子1960 年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業後、ハンブルグの書籍取次ぎ及び輸出会社グロッソハウス・ウェーグナー社に研修社員として就職。仕事をしながらハンブルグ大学でドイツ文学を学び、日本語、ドイツ語で詩作、小説、エッセイ、戯曲などを創作。ハンブルグ大学大学院修士課程修了。チューリッヒ大学博士課程修了。ドイツで 1987 年に初めて詩集を出し、日本では 1991 年に小説「かかとを失くして」(群像新人文学賞)でデビュー。以後、「犬婿入り」(1993年芥川賞受賞)、『ヒナギクのお茶の場合』(泉鏡花文学賞)、『容疑者の夜行列車』(伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞)、越境と言語についてのエッセイ『エクソフォニー』、白熊三代記『雪の練習生』(野間文芸賞)、殺人犯たちとの出逢いを描いた『雲をつかむ話』(読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞)、福島以降の日本を舞台にした『献灯使』、ベルリンの町を描いた『百年の散歩』、最新作『地球にちりばめられて』などを発表。ドイツ語で創作した作品群に対しては、1996年にシャミッソー賞、2005年にはゲーテメダル、2017年にはクライスト賞、そして2018年に米国において最も権威のある文学賞の一つとされる「全米図書賞」の第69回翻訳書部門を受賞。2006 年よりベルリン在住。
プラープダー・ユン 1973年、タイ・バンコク生まれ。作家、評論家、脚本家、アーティスト、グラフィックデザイナー、さらには映画監督、ミュージシャン、作詞家などとして幅広く活躍。中学卒業後に渡米、ニューヨーク市のクーパーユニオン大学でアートとデザインを学ぶ。同地でグラフィックデザイナーとして働いた後98年にタイへ帰国。2002年に発表した短編集『Probability』で「東南アジア文学賞」を受賞。同世代のアイコンとなったプラープダー氏は、タイの作家の中でももっとも有名で影響力がある。在学中には芸術映画への造詣を深め、実験的なアニメーション作品を複数制作。タイの新進気鋭の映画監督、ペンエーグ・ラッタナルアーンの2つの作品で脚本を手がけ、2016年には『Motel Mist』で監督デビューを果たす。2作目の『現れた男』が、第30回東京国際映画祭2017でワールドプレミア上映された。これまで脚本を手がけた映画に『地球で最後のふたり』、『インビジブル・ウェーブ』(2003/2006、ともにペンエーグ・ラッタナルアーン監督 浅野忠信・主演)がある。東京国際文芸フェスティバル国際諮問委員。著書『座右の日本』(2007)、『鏡の中を数える』(2007)、『パンダ』(2011)は日本でも紹介されており、直近は批評誌『ゲンロン』にてエッセイ『新しい目の旅立ち』を連載。
お問い合わせ
担当:桑原・松尾
国際交流基金バンコク日本文化センター
Email: acdept@ba.jpf.go.jp 電話:02-260-8560~4
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