国際交流基金海外巡回展
「妖怪大行進―日本の異形のものたち」展
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国際交流基金バンコク日本文化センターは、クリエイティブ・エコノミー・エージェンシー
(Creative Economy Agency; CEA)との共催にて、海外巡回展「妖怪大行進―日本の異形のものたち」を開催します。日本妖怪博物館の湯本豪一名誉館長監修のもと、本展覧会では絵巻や錦絵を中心に、さらに玩具や映画といったメディアを通じて現代まで広がりを見せる、日本の妖怪文化を紹介いたします。
古今東西あらゆる文化で、説明のつかない不思議な現象に対して、様々なイメージが与えられてきました。日本の妖怪もそうした超自然的な力をあらわすキャラクターの一種として、色々な物語に登場し、人々を驚かせたり怖がらせたりしてきました。それから時代が進み、新しい科学や技術が人々の生活を変えるにつれて、妖怪たちは次第に恐ろしさを減じ、お茶目な友達のような存在に変化してきたと言えるかもしれません。日本には今でも夏に怪談を楽しむ文化が続き、妖怪たちがテレビや劇場を賑わせています。本展では、いわばこの妖怪たちの「大衆化」に焦点を当て、不思議な妖怪の世界へとみなさまを誘います。
本展覧会は大きく4つの章に分かれています。
第1章 華麗なる妖怪絵巻の世界: 本章では妖怪が跳梁跋扈する妖怪絵の華、妖怪絵巻を紹介します。なかでも有名な百鬼夜行絵巻は、その名称の通り、幾多の妖怪たちが描かれ、生き生きとした妖怪世界が展開されています。古くから描き継がれた作品に加えて、新しい画題の多種多様な妖怪絵巻も数多く登場します。
第2章 極彩色の妖怪世界: 江戸時代に発展した木版印刷は人々が安価で気軽に絵を入手できるという恩恵をもたらし、妖怪文化にも大きな影響を与えました。とりわけ多色刷の錦絵は人々の心を掴み、多種多様な幾多の妖怪錦絵が制作されました。極彩色の華やかな妖怪錦絵は、妖怪というものを人々の身近な存在にしていきました。
第3章 遊びと妖怪: 身近になった妖怪に人々は怖さを減じ、やがて親しみさえ抱くようになり、かわいらしい友達感覚の妖怪さえも誕生しました。本章では、双六、カルタ、おもちゃ絵などに愛嬌のある妖怪が描かれるようになり、子供たちにも強く支持されて遊びのなかに更に深く浸透していった様子を紹介します。
第4章 現代にも受け継がれる妖怪 : 日本が西洋文化を取り込んだ明治時代以降には仏教哲学者の井上円了、民俗学者の柳田国男などによって、“妖怪”も学問として体系的に論じられるようになりました。いっぽうで、江戸時代に広がった妖怪文化を特徴づける怖くない妖怪のグッズは更なる広がりをみせ、やがて漫画、アニメ、ゲームといったものにも妖怪は登場して現代社会のなかでその存在を確たるものとしていっています。最終章では、こうした世代や国を超えて誰をも魅了している妖怪文化を伝えます。
この展覧会が、日本の妖怪文化に触れ、妖怪の存在とその社会とのつながりを知り、時代を超えて日本の芸術、文化、社会に与えた影響について理解を深めていただく機会となることを願っています。
第1章 華麗なる妖怪絵巻の世界:
第2章 極彩色の妖怪世界
第三章 遊びと妖怪
第四章 現代にも受け継がれる妖怪
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