UNFOLDING KAFKA FESTIVAL 2019


 

– KAFKA ZOO –

 

UNFOLDING KAFKA FESTIVAL 2019

 

2019年11月7日~12月15日@バンコク

 


 

 

1.中村厚子氏によるアート&ビデオインスタレーション

 

Arbitrary Notion, Invasion

会場:   ローズホテル502号室 (MRTサムヤーン駅から徒歩5分)

日時:   2019年11月7日(木) – 2019年12月15日(日)

12時 – 18時 (水曜日~日曜日)

 

地神 Sound of Vitality

会場:  ローズホテル 501号室(MRTサムヤーン駅から徒歩5分)

日時:  2019年11月7日(木) – 2019年12月15日(日)

12時 – 18時 (水曜日~日曜日)

 

2.ジョン・ウィリアム監督 「審判」 (2018) 上映

 

会場:  Goethe Saal, ゲーテ・インスティテュート (MRT ルンピニ駅から徒歩10分)

日時:  2019年11月16日(土)  / 13時-15時

チケット: 無料。要事前申し込み。以下のサイトよりお申し込みください。

https://www.eventbrite.com/e/unfolding-kafka-the-trial-film-screening-talk-tickets-75647364303

※上映後に、ジョン・ウィリアムズ監督と(株)テラヤマ・ワールドCEOの笹目浩之氏による

アフタートークがあります。

 

3.寺山修司監督 「審判」(1975) 上映

 

会場:  Goethe Saal, ゲーテ・インスティテュート(MRT ルンピニ駅から徒歩10分)

日時:  2019年11月17日(日)  / 13時-15時

チケット: 無料。要事前申し込み。以下のサイトよりお申し込みください。

https://www.eventbrite.com/e/unfolding-kafka-the-trial-film-screening-talk-tickets-75647364303

 

国際交流基金バンコク日本文化センターは、” Unfolding Kafka Festival”において、中村厚子氏による映像・アート作品の展示と、ジョン・ウィリアムズ監督による映画「審判」 (2018) ・寺山修司監督による映画「審判」(1975)の、2本の日本映画を上映します。

 

Unfolding Kafka Festival は、傑出したコンテンポラリーアートを世界に発信する場として、2015年から1年おきに開催されている芸術祭です。3回目となる2019年は、フランツ・カフカの作品に登場する、奇妙な動物の野性的な側面に着目し、カフカの一種統制された世界から動物を解放することをテーマに作品を展示します。カフカの描くグロテスクな世界観は、読む人に動物を人間化された他者として認識させ、人間とそれ以外の境界線を曖昧にします。本展覧会は、実体とその捉え方との関係に疑問を投げかけるような奇抜な作品に触れることで、動物園にいる動物を自然界に生きる動物とは違う存在であると捉えるように、環境が物の見方や捉え方に影響を与えるということを、観客の皆様に体感いただけるようなプログラムとなっておりますので、この機会に是非ご参加ください。

 

——プログラム紹介——–

 

中村 厚子氏によるアート/ビデオインスタレーション

会期:  2019年11月7日(木) – 2019年12月15日(日)

会場:  ローズホテル (MRTサムヤーン駅から徒歩5分)

Google マップ: https://goo.gl/maps/RYaWhPYiKHLB7H6k9

 

Arbitrary Notion”

(2013年, イギリス/ビデオ・インスタレーション)

 

「ある日、家の中に蟻を見つけたー30匹余の蟻がごみ箱と戸棚の中のいたるところに居たのだ。私はすぐに殺し始めた。あくる日もあくる日も殺し続けたが、蟻がいなくなることはとうとうなかった。ある日突然、私は自分がやっていたことの残酷さに気づいた。なんとひどいことをしていたのだろう!もし蟻を家の外で見つけたのならば、私は蟻をかわいいと思い、殺すなど考えてもみなかっただろう。しかし、彼らが自分のテリトリーに入ってきたとたんに、私は無意識のうちに彼らを外敵とみなし、徹底的に排除しようとしていたのだ。私は自分自身の残酷さに驚き、歴史において、また現代社会において人間に許されている専行について考え始めた。この映像作品は人間と-それと私自身の-専行について表現したものである。」

“Invasion”

(2015年, 台湾/ビデオ・インスタレーション)

「侵略」とはアイデンティティが侵略者により侵されることである。作品中では、蟻の協力関係を人間社会の構図として捉え、中村氏という部外者が突然、蟻の列や作りかけの壁や巣を破壊し、彼女に従うことを強要する様を描いている。

‘Jigami Sound of Vitality’

(2005年, 日本/Art installation)

中村氏が2005年に制作した空間を上手く利用したダイナミックな作品を、バンコクのローズホテルの1室で再現。アニミズムの考えに触れ、人間と自然の関わり方について顧みる作品。

‘A metamorphosis of a man’

 (2019年, Art installation)

タイの路上で見かけた、かつて信仰されていた木々。以前誰かが巻いた、今では色あせてしまったパーサムスィーは、木の成長と共に飲み込まれ、もはや体の一部となっていた。その光景は私にカフカの物語に出てくるグレゴールやレッドピーターを思わせた。社会で生きる為には、時に自分の本性と理性 (または社会的常識や周囲からの期待、異質なもの) との間に折り合いをつけることを求められるが、そこには悩みや葛藤、痛みを伴い、アンバランスになりながらもどうにかバランスを保とうとする。そしてそれは多くの場合、公共の場に現れることはなく、プライベートなホテルの一室のように、いつも密やかに、個人の心の内側で起きている。

中村厚子氏プロフィール

1982年石川県生まれ。武蔵野美術大学で建築、草月流でいけ花を学んだ後、ロンドン大学スレード美術学校彫刻専攻修了。人間と自然の関係に焦点をあて、その場に潜む固有のエネルギーやその記憶、過去から未来へと超越する時間を、流木、塩、水などの素材、波や気温などの現象を用い〈私が作る部分〉と〈自然が作る部分〉を意識的に組み合わせ、それを空間に介入させ顕在化する。身体的対話を通し、自然との物理的・精神的繋がりを探求する。

 

主な個展

2015年
意識と無意識の境界 (金沢アートグミ / 金沢)

2011年
The Pulsating Earth (Gallery LA CAJA BLANCA/ パルマデマヨルカ・スペイン)

 

主なグループ展

2019年
海境 (瀬戸内国際芸術祭2019/ 香川)

2019年
On the verge of fiction (Kuandu Museum of Fine Art/ 台北・台湾)

2017年
MOTサテライト2017 秋-結ぶ風景- (東京都現代美術館/東京)

2017年
Monologue Dialogue 4: Mysticism & Insecurity (The Koppel Project/ ロンドン・イギリス)

2014年
Monologue Dialogue 3(curated by Andrew Stahl) (BACC/ バンコク・タイ)

「審判」 (ジョン・ウィリアムズ監督/2018年/日本)

日時:2019年11月16日(土)13:00~

会場:ゲーテ・インスティテュート タイランド (MRTルンピニ駅から徒歩10分)

Googleマップ:https://goo.gl/maps/xqaQTHXnp1pYijpF9

イギリス・ウェールズと日本にルーツを持つジョン・ウィリアムズ監督は、フランツ・カフカの長編小説「審判」を現代の東京に置き換え、陰気で滑稽なミステリーと日本の不条理な官僚制の風刺をかけあわせることで、今の日本に漂う“不穏な空気”を映し出す映画をつくりました。本作は、2015年に行われた俳優のワークショップで舞台として公演された後、その時とは全く異なる脚本で映画撮影を2017年からスタートし、2018年の初めに完成したものです。物語は、「ポスト真実」時代の東京のとある街で、ひとりの男が目を覚ますと、特に理由がないまま突然逮捕されると告げられるところから始まります。 主人公は、ジョン・ウィリアムズ監督の過去2作品において才能を開花させたにわつとむ氏が演じ、本作で11年ぶりの映画出演となる歌舞伎界の名脇役・坂東彌十郎、高橋長英、品川徹らベテラン俳優が脇を固めました。

ジョン・ウィリアムズ監督プロフィール

英国に生まれ、1988 年に来日。90年代、名古屋で8ミリカメラで映画の製作を始め、第 1 作目である『いちばん美しい夏』(1994)は、ハワイ国際映画祭でグランプリを獲得。佐藤浩市、木村多江主演の『スターフィッシュホテル』(2007)は、ルクセンブルグ国際映画祭でグランプリを獲得した。佐渡島を舞台とした第 3 作目『佐渡テンペスト』 (2013)は、シェイクスピアの『テンペスト』をもとに、能などの日本の伝統芸能とロックを融合した作品で、シカゴ国際映画音楽祭にてグランプリを受賞した。その他の国際映画祭でも多数の賞を受賞。映画監督、脚本家、プロデューサー。上智大学外国語学部英語学科教授。

「審判」 (寺山修司監督、1975年/日本)

Goethe Saal, ゲーテ・インスティテュート, バンコク/ 11月17日(日)13時-

 

映画「審判」(1975)は、男が街中の道に釘を打ち込むところから始まります。寺山監督はこの映画の最後で、観客を舞台に上がらせスクリーンに釘を打ち込ませることで、観客に自身の「観客」としての立場を捨てさせ、実際に映画に「参加」させようと試みています。

寺山修司氏プロフィール

1935年12月10日、青森県生まれ。18歳、「チェホフ祭」で短歌研究新人賞特選受賞、鮮烈な歌壇デビューを果たす。60年処女戯曲「血は立ったまま眠っている」が劇団四季で上演され、「乾いた湖」(監督:篠田正浩)で初めての映画シナリオを手がける。67年には横尾忠則、東由多加、九條映子らと演劇実験室「天井棧敷」を結成。海外でも多数公演を行い高い評価を得た。詩人、エッセイスト、小説家、評論家、作詞家、映画監督、劇作家、競馬エッセイなども。主な活動に、天井棧敷公演:『青森県のせむし男』『毛皮のマリー』(67)『奴婢訓』『身毒丸』(78)『レミング』(79)など。映画監督作品:「田園に死す」(74)「草迷宮」(78)「さらば箱舟」(84)など。著作:歌集「血と麦」(62)「ひとりぼっちのあなたに」(65)、「書を捨てよ、町へ出よう」(67)など。1983年5月4日47歳で急逝。1997年、多感な少年時代を過ごした青森県三沢市に寺山修司記念館開館。

[お問い合わせ先]

国際交流基金バンコク日本文化センター

佐藤、桑原(acdept@ba.jpf.go.jp

Tel: 02-260-8560~4

Facebook: @JFBangkok or @unfoldingkafkafestival