舞踏公演「大野一雄について」
[会場] | チャン劇場(Chang Theatre) | ||
[日程] | 2018年10月26日(金)~28日(日) 全3公演 | ||
公演1: 10月26日(金) 7:30 PM~ 公演2: 10月27日(土) 7:30 PM~ 公演3: 10月28日(日) 2:00 PM~ |
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[公演時間] | 110 分 | ||
[チケット] | 700 THB(予約: facebook.com/ChangTheatre/) または095-956-9166, 099-213-5639(英・タイ) |
この度、国際交流基金バンコク日本文化センターは、チャン劇場との共催の下、川口隆夫によるソロ舞踏公演「大野一雄について」をバンコクにて開催いたします。
73歳で海外デビューし、世界のダンス界に衝撃を与え、103歳で逝去するまで踊り続けた伝説の舞踏家、大野一雄。パフォーマー川口隆夫による「大野一雄について」は、その大野一雄の動きを“完全コピー”する挑戦的な試みで、世界30都市以上で絶賛されてきました。
東南アジアではインドネシアについで二番目となる本タイ公演。公演期間中は同会場にて、大野一雄氏の貴重な公演映像や、実際に使用した世界公演ポスターの展示会も同時開催いたします。
タイ初演となる記念すべきこの機会に、皆様お誘いあわせの上、是非会場まで足をお運び下さい。
川口隆夫:アーティストステートメント
私は大野一雄の生前の舞台を見たことがない。最近写真やビデオでその踊りを見る機会があり、とても美しいと思った。うまく説明できないが、彼の体の動きのうねりやしなりに親近感を覚える。不遜にもどこかしらなにかしら自分と似ているところがあるんじゃないだろうか。私の中の官能のようなものを刺激してくる。それに身を委ねてみようと思った。
戦後の日本モダンダンス界のスターでありながらも、異色とも言える作品を多数発表。土方巽との出会い、その化学反応の中で舞踏を生んだ。その後しばらく舞台活動に距離を置きながら、長野千秋監督と『O氏の肖像』を始めとする3本の映画を製作したのち、1977年、齢71歳にして『ラ・アルヘンチーナ頌』で華々しくカムバックデビュー。世界各地を巡演して舞踏の名を広く知らしめ、2010年、103歳にて他界するまで踊り続けた。土方は「ひとさじで痺れさす劇薬のダンサー」と言い、人々は「魂の踊り」と評した大野一雄。
『大野一雄について』の中で、川口隆夫は大野一雄の初期の代表的な三作品(『ラ・アルヘンチーナ頌』、『わたしのお母さん』、『死海、幽霊、ウィンナーワルツ』)の初演のビデオ記録をもとにいくつかのシーンの踊りをコピーし、再現を試みます。
即興的な要素も含み、老齢というだけでなく特異な身体的・運動的特徴や癖までをもその本質として含んだ大野の踊り。そこに足すも引くもなく、忠実にコピーしようと努めることは、コピーを行う主体側の解釈や特性を消して、可能な限りその対象に自分を重ねようとすることに他なりません。しかし、重ねよう、寄せようとすればするほど、その重ならない部分、どうしてもはみ出してしまう部分が、逆に、その主体の存在の消すことのできない有り様を浮かび上がらせるとう、「コピー」であるがゆえに「オリジナル」であるという、パラドックス。
観る者はそこに生前の大野の面影を重ね、大野を知らない者もまた、そこに大野の踊りを想像し重ねます。そうして複数の像が交互に前に出あるいは後退する。『大野一雄について』は、今は亡き大野一雄との、幻のデュエットを踊る作品です。故人の輝かしい業績や力に比すべくもなく、その内奥を照らす光も持
ち合わせませんが、せめて鋳型に鉄を流し込むようにその踊りの中に自分の流し込むことによって、いくらかなりともその<劇薬>に舌を痺れさすことができればと思います。
川口隆夫ソロ「大野一雄について」ウェブサイト |
川口隆夫プロフィール
1996年から2008年まで「ダムタイプ」に参加。同時に2000年以降はソロを中心に、演劇・ダンス・映像・美術をまたぎ、舞台パフォーマンスの幅広い可能性を探求、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも多い。2008年より「自分について語る」をテーマにしたソロパフォーマンスシリーズ『a perfect life』を展開。その Vol.6「沖縄から東京へ」で第5回恵比寿
映像祭(東京都写真美術館、2013)に参加した。近作に『大野一雄について』(2013年、大野一雄フェスティバルで発表して以降、現在世界各地をツアー中)、『TOUCH OF THE OTHER – 他者の手』(2015年ロサンゼルス、2016年東京・スパイラルホール)など。
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│共催│国際交流基金バンコク日本文化センター、Chang Theatre
│後援│在タイ日本国大使館、タイ国日本人会
│協力│女子美術大学、Light Source Co., Ltd.,