Deep South – Deep South Movie Matchmaking: Cerebration of Okinawa and Thai Deep South Filmmakers

新型コロナウイルス禍における新たな国際文化交流の試み

 

Deep South – Deep South Movie Matchmaking:

Cerebration of Okinawa and Thai Deep South Filmmakers

沖縄・タイ深南部オンライン映画祭

   
イベント概要
[日時] 2020年9月7日(月)から13日(日)
[会場] オンライン事業 映画祭の特設サイトにてご視聴いただけます。お申込みいただいた方に特設サイト へのリンクをお送りします。 トークイベントは国際交流基金バンコク日本文化センターのFacebookページドキュメンタリー・クラブのFacebookページで生配信します。
[料金] 無料
[使用言語] タイ語、英語、日本語 (タイ語の映画には日本語と英語の字幕が、日本語の映画にはタイ語と英語の字幕がそれぞれ付いています。トークイベントは日、タイの逐次通訳がつきます。)
[事前登録] 映画を視聴するためには必要です。トークイベントへの登録は不要です。
  国際交流基金バンコク日本文化センターは、新型コロナウイルスの感染が世界的に広がる中、本年5月に「Solidarity in Social Distancing: Cultural Exchanges in the New Normal Life(感染予防のために物理的に距離を保ちながらも連携する~新たな日常における文化交流~)」という緊急企画を実施し、世界中から文化交流事業を公募しました。   今回ご案内する【沖縄/タイ深南部オンライン映画祭】(Deep South – Deep South Movie Matchmaking: Cerebration of Okinawa and Thai Deep South Filmmakersは、バンコクを拠点にドキュメンタリー映画の普及を目的として活動しているドキュメンタリー・クラブ、タイ深南部の若者による映画制作を支援している深南部若手映画制作者プロジェクト、ならびに、新型コロナウイルスの拡大によって文化芸術に大きな影響を生じている状況を調査、分析し、対応策を考えるために東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科の中に立ち上げられたCOVID-19時代における文化芸術プロジェクトから提案された共同プロジェクトです。   タイ深南部とは、マレーシアとの国境付近に位置するパッタニー県、ヤラー県、ナラティワート県を中心とする地域を指します。国民の94%が仏教徒のタイにおいて、住民の80%以上がイスラム教徒で、マレー文化の影響が色濃く見られる地域です。また、14世紀から19世紀にかけてマレー系の「パタニ王国」がこの地を統治していたという歴史的経緯から、現在でもタイからの分離独立を求める過激派による爆弾テロ事件が続発しています。そのため、日本の外務省は、タイ深南部3県(及びソンクラー県の一部)を危険情報レベル3(渡航中止勧告)としています。   沖縄は、日本の最も南西に位置し、多くの島々から成り立っています。第二次世界大戦後、1972年まで27年にわたってアメリカ軍の占領下に置かれ、今も日本国内の米軍施設の約70%が沖縄に集中しています。沖縄における米軍基地の存在は、常に議論の対象となっています。さらに歴史を遡れば、1929年から1879年までの450年間、この地域は「琉球王国」という独立した王国として存在し、日本や中国の文化の影響を受けつつ、独自の文化を築き上げていました。現在でも、このような歴史的経緯から、文化、風習、方言、さらに、産業、人口構成ならびに所得格差において日本の主要四島との差異が大きいことで知られています。   今回の【沖縄/タイ深南部オンライン映画祭】では、“ディープ・サウス”(深南部)を共通のキーワードとする沖縄とタイ深南部を取り上げ、これらの地域を主題とする映像作品を紹介するとともに、映像作家間のオンラインを通じた文化交流を行います。かつて、それぞれの地域が独立していた時代には、二つの“ディープ・サウス”は海を介した交易でつながっていました。このオンライン映画祭では、二つの地域が共有し得るものを発信、再考し、新たなつながりを模索する機会となることを目指します。   なかなかその実態を知る機会のない深南部について、ぜひ、映画を通じて体験してください。   <上映作品>

プログラム1 終わらない過去 川田淳(72分/2016年)

プログラム2 完璧なドーナッツを作る キュンチョメ(95分/2018年)

プログラム3 やぎの冒険 仲村颯悟(84分/2010年)*本作品だけはタイ語字幕がなく英語字幕のみとなります。 人魚に会える日。 仲村颯悟(93分/2016年)

プログラム4 Boundaries 福地リコ(20分/2019年) クリア 福地リコ(44分/2015年)

プログラム5 I’m Not Your F***ing Stereotype ヒーサン・チェママ(29分/2019年) Neverland サマック・コセム、ナラシット・ケサプラシット、アヌワット・アピムックモンコン (13分/2017年) The Journey of Isolation パンタウィット・テープジャン(25分/2018年) So-Khin チャウェン・チャイヤワン(18分/2018年) Ar-Por パイシット・ワンランシーサティット(21分/2017年)

プログラム6 The Life Young Yim Team(17分/2019年) Youth TL Production Team(17分/2019年) Learning With You Nayu Rama Team(20分/2019年) Haleem and Fern Happy Sad Sunday Team(12分/2019年) Melagu Beawalk Film Team(12分/2019年)

プログラム7 Ka-Pho Smart End Game Team(13分/2019年) The Ghost’s View Dek Film Team(17分/2019年) Dek Ponok Hi Sun Flower Team(16分/2019年) End Game Wesion Team(12分/2019年) When the Fish Sauce Was Illegal  Tum-naung-set-laew-lung-yang-yoo-mai Team(14分/2019年)

  <主な上映作品>   中学生の時に日本最年少の映画監督として長編映画『やぎの冒険』でデビューを果たした沖縄出身の仲村颯悟。1996年生まれの仲村は、小学生の時から映像制作を行い、30を超える短編、長編映画を発表しています。今回は、彼のデビュー作と第2作目となる『人魚に会える日。』を上映します。   『完璧なドーナッツを作る』は、現代美術作家として活動するアーティストユニットキュンチョメによって沖縄で制作された米軍基地をめぐる映像作品です。「穴の開いたアメリカのドーナツと、丸い沖縄のドーナツを、米軍基地のフェンス越しに合体させたら、穴のない完璧なドーナツができるのではないか?」という彼らの問いから始まったプロジェクトの記録映像です。   タイから紹介する15作品は、ドキュメンタリー・クラブが所蔵する5作品と、深南部若手映画制作者プロジェクトによる10作品から構成されています。このプロジェクトは、タイの女性映画監督のパイオニアとして知られるピンパカ・トゥイラ監督が主催するもので、深南部の若者が短編映画の制作を通じて自身の考えや思いを発表する活動を支援しています。   上映作品の一部を紹介します。パンタウィット・テープジャンによるJourney of Isolationは、実際に2017年にパッタニー県のBig Cスーパーマーケットで起きた爆破事件を題材に、事件への関与を疑われ、嫌疑不十分のまま現場検証中に射殺された男とその家族を追うドキュメンタリーです。サスペンス調のWhen the Fish Sauce Was Illegal(Tum-naung-set-laew-lung-yang-yoo-mai Team)では、ブードゥーという南部料理に欠かせない調味料が象徴的な意味を持って使われています。ある日、財政的な問題を抱える兄妹が経営するブードゥー屋に大量の注文が入ったことから思わぬ事態に巻き込まれていくことに…。   ヒーサン・チェママが自身の経験をもとに制作したI’m Not Your F***ing Stereotype』は、イスラム教徒への偏見や嫌がらせを、ナラティワート県からバンコクに転校した女子高校生の日常を通じて時にコミカルに描いた作品です。   過激派やテロリスト、爆破事件と関連して語られることが多い深南部ですが、多くの作品でこの地域の豊かな自然を垣間見ることができます。また、民族や宗教の違いを超えた友情や恋心、親や故郷を想う気持ちにも心を揺り動かされることでしょう。
<トークイベント> *事前登録は必要ありません。日、タイの逐次通訳つきです。  
1. オープニング・レクチャー 「新たな“ディープ・サウス”に向けて:逆境を創造的な交流へ」 9月7日(月)19:00~21:00   沖縄とタイ深南部を“ディープ・サウス”としてとらえ、双方の映像作品をより深く理解するためのイベント。 二つの地域の歴史、文化、現在の社会状況を専門とする日、タイ2名の講師によるレクチャーです。 講師:若林千代(沖縄大学教授)、タネート・アーポーンスワン(タマサート大学教授) 進行役:居原田遥(本映画祭キュレーター/東京芸術大学特任助手)、ウィワット・ラートウィワットウォン(本映画祭主催者/ドキュメンタリー・クラブ)
 
2. ディレクター トークセッション 9月13日(日)19:00~21:00   上映作品の監督や制作者を迎えてのトークセッションです。当日は、生配信を通じて視聴者からの質問も受け付けます。 タイ側登壇者:ピンパカ・トゥイラ(深南部若手映画制作者プロジェクト主催/映画監督)、パイシット・ワンランシーサティット(映画監督)、アーミーナー・アーレー(End Game制作者)、ムハーマスベー・デン(The Life制作者)、ウィワット・ラートウィワットウォン(本映画祭主催者/ドキュメンタリー・クラブ) 日本側登壇者:川田淳(映像作家)、キュンチョメ(現代美術作家)、仲村颯悟(映画監督)、福地リコ(映画監督)、居原田遥(本映画祭キュレーター/東京芸術大学特任助手)
  <参加方法>  
1. 映画を視聴するためには、下記のリンクからGoogle Formで事前にご登録ください。 プログラム1‐5:https://bit.ly/Deep_South_1-5 プログラム6‐7:https://bit.ly/Deep_South_6-7
  • 受付が完了しましたら、特設サイトへのリンクをお送りします。
  • プログラム1から4の日本映画6作ならびにプログラム5のタイ映画5作は、9月7日(月)19時から13日(日)24時までお好きな時間にご覧いただけます。
  • プログラム6と7のタイ映画10作は、9月13日(日)の14時から18時までの特別上映となります。この時間内でお好きな時間にご覧いただけます。
2. 9月7日(月)と13日(日)のトークイベントは、国際交流基金バンコク日本文化センタードキュメンタリー・クラブのFacebookページで生配信します。登録は不要です。
  主催:           協力: 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 COVID-19時代における文化芸術プロジェクト   問い合わせ先: acdept@ba.jpf.go.jp      (桑原、佐藤) *日本語、英語   国際交流基金バンコク日本文化センター The Japan Foundation, Bangkok 10th Fl. Serm-Mit Tower, 159 Asoke-Montori Road, Bangkok 10110 Tel: 02-260-8560~3 Facebook: https://www.facebook.com/jfbangkok/ Website: https://ba.jpf.go.jp/?lang=ja