『まるごと』って?

日本語を使ったコミュニケーションが目標です

『まるごと』では、実際に日本語を使ってコミュニケーションすることを目標にしています。ただ文法や文型の知識を増やすことが目標ではありません。どんな場面でどんなことができるようになるか、という「Can-do」を目標にして、現実の場面で使える日本語を学びます。例えば、日本語を始めたばかりの「入門」レベルでは、あいさつをしたり、好きな食べ物や趣味について話したりしながら、簡単なコミュニケーションをします。「中級」レベルでは、生の日本語を読んだり聞いたりしながら、自分のことを長く話せるように練習します。どのレベルでも、人と人が日本語で実際にコミュニーションしながら、お互いに理解し合うことを目指しています。

最新の学習理論を取り入れています

『まるごと』は、第二言語習得理論のさまざまな研究成果にもとづいた学習プロセスを取り入れています。例えば、音声によるインプットから口頭でのアウトプットまでの流れが考えられているので、口頭の能力を伸ばすことができます。文法の練習も、コミュニケーションの中での「気づき・発見」から、これを意味のある文脈で身につけられるようにデザインしています。

どんな学習者でも無理なく学べます

『まるごと』は、週1回だけしか日本語を勉強する時間がないような人でも、自分のペースで無理なく学べるように配慮しています。特に入門(A1)の段階では、学習者の負担をできるだけ少なくして、学習が続けられるようにしています。海外で趣味で日本語を学ぶ学習者や、日本に住んで日常生活のための日本語を学ぶ学習者にぴったりの教材です。

いろいろなトピックで日本文化も学びます

『まるごと』は日本語と日本文化をバランスよく学べる教材です。旅行、食べ物、祭り、マンガなど、日本についてのさまざまなトピックに触れながら、日本文化を学びます。フルカラーのイラストや写真もたくさんありますので、豊富な視覚情報を使って楽しく学習を進めることができます。

無料のサポート教材がダウンロードできます

『まるごと』の音声は、すべてウェブサイトから無料でダウンロードできます。また、語彙のリストや本文の翻訳など、無料のサポート教材もたくさん用意されています。『まるごと』を使って教える先生のために、「教え方の手引き」など教師用のリソースもそろっています。

eラーニングでのサポートも充実しています

『まるごと』は、教科書をクラスで学ぶだけではありません。教室の外での学習につなげられるように、eラーニングでもサポートしています。ウェブサイトでは、「まるごとのことば」でことばを調べたり、「まるごと+」で動画を見ながら自習したりできます。近くに『まるごと』を使った教室がない人は、「みなと」の「まるごとオンラインコース」を使えば、教室に行かなくても無料で『まるごと』で学ぶことができます。文字の練習には、「HIRAGANA/KATAKANA/KANJI Memory Hint」のアプリも活用できます。

『まるごと』シリーズ

『まるごと』は、「相互理解のための日本語」を理念とした「JF 日本語教育スタンダード」という言語教育の枠組みにもとづいて、成人学習者向けの教材として制作されており、「かつどう」と「りかい」の2冊構成になっています。「かつどう」では日本語をたくさん聞き、話す練習を通して、コミュニケーションの実践力をつけることを目指します。「りかい」ではコミュニケーションに必要な日本語のしくみについて体系的に学ぶことができます。

『まるごと』初中級 初中級には以下2 つの学習目的があります。 1)「かつどう」「りかい」入門(A1)、初級 1/2(A2)の復習と応用 2)上のレベル(B1)への準備 『まるごと』入門(A1)、初級 1/2(A2)には2つのコースブック「かつどう」と「りかい」がありますが、初中級は各々の学習方法を1冊にまとめました。Can-do も A2 と B1の両方のレベルがあるので、いろいろな教室活動を通して学習することができます。また、成人学習者が自分の気持ち、状況、経験などをより豊かに表現できるように、各トピックで必要な語や文の形を導入しています。

『まるごと』中級1(B1) 『まるごと』中級(B1)では、身近な場面で簡単なやりとりができる初級(A2)とは違い、日本語を使える場面、話題、内容が広がっていきます。たとえば、日本人との会話に加わって自分の興味のある話題についてある程度くわしく話したり、日本に行ったときに日本語でいろいろなことに対応したりできるようになります。また、SNSなどを使って日本語で発信したり、ネット上から必要な情報を探したりできるようになることも、この教材の目標です。これまでの多くの中級教材のように、難しい語彙や文型の知識を増やしたり、長い読解テキストを精読したりすることが目的ではありません。実際の日本語使用場面で「できる」ことを増やす教材、それが『まるごと』中級(B1)です。 **タイ語版は中級1までTPAで出版しています。現時点では、中級2のタイ語版の出版予定はありません。